ニキビができた原因は?
ニキビは皮脂腺の詰まりや炎症が起こることで発生する皮膚の問題です。
ニキビは非常に一般的な皮膚の問題で、ほとんどの人が一度は経験する病気です。特に思春期にはホルモンバランスの変化が影響して、ニキビたくさんできてしまい、悩まされた経験があるのではないでしょうか?
ニキビができる主な原因は過剰な皮脂分泌によって、毛穴が詰まり、雑菌が繁殖することです。皮脂分泌の原因は多種多様ですが、その中には生活習慣の改善で簡単に対処が見込めるものと、そうでないものがあります。
生活習慣の改善で対処が期待できる皮脂分泌の原因
- 食生活
- 不適切な洗顔
- 軽度なストレス
自分の生活を振り返って、上記に当てはまる場合は皮膚科を受診する前に原因を取り除く努力をすることで改善が見込めます。
皮膚科では、一時的にニキビの炎症を抑える薬などをもらうことができますが、根本的な原因解決にならないことも多いです。
最終的には、生活改善といった根本原因を取り除く必要があるため、自分のニキビが何由来なのか分析の必要があります。
食生活
ニキビができやすくなる要因として食事による影響があります。特に高GI(グリセミック・インデックス)の食品や乳製品の摂取は、ニキビの発生と関連があるとされています。
GIとは、食品を摂取した後に血糖値がどれだけ上昇するかを示す指標です。高GIの食品は、血糖値の急激な上昇を引き起こすため、体内でインスリンの分泌が増加します。インスリンは血糖値を下げる役割を果たすホルモンですが、同時にアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの分泌を促進します。結果として皮脂腺の過剰な活動を引き起こし、毛穴の詰まりや炎症を促進する要因となります。
乳製品は血糖値を上げてしまうほかに、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を引き起こすイグF-1が含まれていたり、炎症を促進する可能性があることが研究によって示唆されています。
具体的には下記食品を避けた生活が良いとされています。
- 白米・炊き込みご飯
- パン(特に白パン、フレンチトーストなど)
- ジャガイモ(特に加工品やフライドポテトなど)
- 甘いデザート(例:ケーキ、クッキー、ドーナツなど)
- ジュース(糖分が多いもの)
- お菓子(例:キャンディ、チョコレートバーなど)
- 乳製品(例:牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
不適切な洗顔
不適切な洗顔として、過剰な洗顔や強い洗顔剤の使用、洗顔後の保湿が足りていないといったケースが考えられます。
過剰な洗顔や強い洗顔剤の使用により、肌のバリア機能の破壊を引き起こします。また、皮脂膜を取り除きすぎると、肌の皮脂が少ないことを改善するために過剰な皮脂分泌がはじまります。
洗顔のポイントとしては、おでこや鼻など皮脂の多い個所から洗い始め、洗うときは指が顔に触れないようにふんわりと洗いましょう。 皮脂が多くない目元や口元は、泡を「乗せる」くらいの気持ちで優しく洗いましょう。 顔全体を洗い終わったら、ぬるま湯でしっかりと洗顔料を落とします。
洗顔後の保湿は入念に行ってください。十分な保湿ができていれば、肌は余分な皮脂を出す必要がないと判断し、過剰な皮脂分泌を抑えることができます。
軽度なストレス
ストレスはホルモンバランスの崩れを引き起こし、ニキビだけでなく、アトピー性皮膚炎や乾燥肌になることが報告されています。
ストレスの発散方法は個人によって異なりますが、趣味や運動、自然と触れ合う、仲のいい人と話すといったことを通じて、解消を試みることが重要になります。
対処が難しいニキビの原因
ここまで自身で改善が見込めるニキビの原因を紹介しました。ここからはすぐに改善するのは難しかったり、早期改善を見込めないようなケースをご紹介します。
- ホルモンバランスの変化
- 遺伝的要因
- 重度なストレス
このような原因でニキビに悩まされている方は、適切なスキンケア、メンタルケア、体質改善などを医師の指導のもとでの治療を行うことで改善する可能性が高まります。一度、病院の受診をおすすめします。
ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化により、皮脂分泌は増加します。ホルモンバランスが崩れる原因は様々ですが、代表的なのは月経周期や思春期などです。
月経周期によるホルモンバランスの崩れの場合は、産婦人科で処方される低用量ピルの使用で改善が見込まれます。特に月経前にニキビができやすくなりますが、ピルを内服することでホルモンバランスの乱れを整えることができるます。
また、ピルを内服すれば男性ホルモンの分泌も抑制されるため、皮脂の過剰分泌も抑制されます。
次に思春期についてです。思春期は成長と発育が進む過渡期であり、身体的・心理的な変化が多く起こる時期です。この時期にホルモンバランスが崩れるのは、成長に関連する複数のホルモンが活発に分泌されるためです。
一定の期間がたてば改善が見込まれますが、ニキビの症状がひどい場合は、皮膚科でニキビの炎症を抑える薬をつかうことで、ニキビ跡を残さないようにするといったケアをするのがいいでしょう。
遺伝的要因
家族にニキビが多い場合は遺伝的な要因が影響している可能性があります。
親や祖父母、兄弟姉妹などの家族にニキビに悩まされた人がいるかを相談してみるといいでしょう。家族と同様の対処方法で改善される可能性があります。
また、その情報を踏まえたうえで皮膚科を受診することで、より適切な処置をしてもらえる可能性が高くなります。
重度なストレス
仕事や学業、家族や人間関係、暴力的な経験、愛する人の死、トラウマなどで重度のストレスを抱えている場合は精神科、心療内科の受診をおすすめします。
ストレスはホルモンバランスや睡眠習慣の崩れを招き、ニキビを悪化させるだけでなく、あらゆる活動のパフォーマンスを下げます。
結果として、日常や人生への満足感も落ち、さらにストレスがたまるという悪循環が起きます。根本的な原因に自分一人で抱え込めないようなストレスを感じるようなら、専門のメンタルケアを受けるために精神科、心療内科にいってみるのがいいでしょう。
【補足】病院に行ったほうがいい理由
病院にいくことで、医師の指導のもと適切なケアや薬を処方され、一時的にでもニキビの症状が改善する可能性が高いです。そのため、基本的には病院を受診したほうがいいです。
特にニキビが鼻や頬などの目立つところにできてしまうと、気分までブルーになってしまいます。気分が落ち込みストレスを抱えてしまう場合は、それが原因でさらにニキビが悪化してしまう可能性もあるので、早期回復のためにとりあえず医師に相談するといった考え方もあります。
皮膚科では一時的に皮膚の炎症を抑え、数日でニキビの症状を抑えるような薬を処方してもらえる場合が多いです。これにより、ニキビ跡が残る可能性も下げることができます。
病院に行く時間がない場合は?
病院に行ったほうがいいのは分かっているが時間がない。
一刻も早くニキビを改善したいと思っている場合は、薬局で市販されているニキビの炎症を抑える薬を利用するという手もあります。
『オロナインH軟膏』に配合されているクロルヘキシジンという殺菌消毒剤は、医療機関でもよく使用されています。また、大人ニキビの方に多い乾燥肌を改善し、毛穴のつまりを予防するなど、ニキビの進行を食い止めます。
ニキビ跡やストレスのリスクを減らすために有効な手段ですので、是非お近くの薬局で買い求め下さい。
コメント